「生産技術 x IoT」による自働化・IT化で工場の生産性向上

トヨタ生産方式(TPS)の基本原理

トヨタ生産方式とは

トヨタ生産方式(TPS)とは、トヨタ自動車工業(当時)の大野耐一氏や鈴村喜久雄氏らが生産ラインのムダを徹底的に排除するために確立した生産方式のことです。この中では7つのムダを定義し、それらを排除するために「ジャストインタイム」と「自働化」を2本柱として体系化された手法です。

トヨタ生産方式と一般的な生産方式の違い

一般的な生産方式では、需要予測に基づく生産計画を立て、各工程では大ロットで生産を行い、各工程間に安全在庫を貯めることでトラブルや需要の変化に対応しています。大ロットで造るため、顧客からの需要の変化に対応するには完成品在庫を貯める必要があり、在庫管理に多くの手間と費用のムダが発生します。また各工程は生産計画に基づく生産を行うので、遅れねばよいとの考え方で後工程に押し込んでいくので、需要と関係のない「造りすぎのムダ」が発生します。さらに、各工程ごとに在庫を都度確認して生産計画を立てる必要があり、手間と費用がかかります。各工程の進捗管理をする必要があり、変化が発生した場合は全行程の計画変更が必要となり多大な工数がかかります。大量の安全在庫や工程間在庫を持つことによって原材料・部品手配から完成品までのリードタイムが長くなり、需要予測が長期的になり精度が悪くなるので、原材料・部品の買いすぎや欠品というムダや問題が発生します。これらはすべて生産側の都合によって発生する問題であって、顧客のニーズとは関係ありません。

トヨタ生産方式では、一般的な生産方式で発生している管理などの顧客にとっての価値を生まない活動をムダと定義し、改善していくための仕組みがあります。この方式では顧客(後工程)のニーズが生産計画に自動で落とし込まれ、各工程が必要なものを必要なときに必要なだけ生産・供給できます。つまり、顧客のニーズに沿ったものだけをムダなく生産・供給できることが大きな違いといえます。

原価主義より原価低減

企業活動を維持し目的を果たすには、企業は利益をあげなければなりません。

原価主義

原価に対し一定の利益を上乗せして売価を決める考え方を原価主義といいます。この場合、売り手が売価を決めます。高度成長期のように需要が供給を上回っている売手市場では、このような方法がよく見られます。

売価 = 原価 + 利益 (需要>供給)

原価低減

売価に対し原価を差し引いた分を利益にするという考え方が原価低減です。この場合、買い手が売価を決めると考える必要があります。現在の日本などの先進国のように供給が需要を上回る買手市場では、一定の利益を確保するためには原価低減に重点を置く必要があります。

利益 = 売価 – 原価 (需要<供給)

このように現在の市場環境でも利益を確保するためには原価低減を推進する必要があります。トヨタ生産方式では、顧客(=買い手)に対するムダを徹底的に排除することで原価低減を実現し、売上と利益を同時に確保します。

トヨタ生産方式の2本の柱

TPS_tree

ジャストインタイム(JIT)

ジャストインタイム(JIT)とは、必要なモノを必要な時に必要な量だけ生産したり供給する仕組みと考え方です。後工程(顧客)からの要求の変化に対し、ムダなく対応することで生産効率を高めることが目的です。

ジャストインタイム」のツールとして、いわゆる「かんばん方式」が有名ですが、実際は「平準化」を前提とし、以下の5つの基本原則があります。この原則の1つ「後工程引取り」の主な道具が「かんばん方式」です。

ジャストインタイムの5つの基本原則
前提
基本原則

リーン思考では「ジャストインタイム」の仕組みと考え方をリーン思考の5つの原則の最もテクニカルな部分である「価値の流れ化」と「後工程引取り(プル)」に盛り込んでいます。リーン思考を理解し、実践する上でトヨタ生産方式の「ジャストインタイム」の考え方、「平準化」と5つの基本原則は何度も見直し理解していく必要があると思います。

自働化

自働化(にんべんのじどうか)とは、「働」という字で書き表すように、人がいなくても機械設備本体の異常や、品質異常、作業の遅れなどの異常が発生したら、自動で異常を検知して、生産を止めて、人に異常を通知する考え方です。これは100%良品をつくりことを前提にし、異常があればすぐに生産を止めて通知することで、再発防止をはかることを目的としています。

一般的な自動化との違いは、自動で異常を検知して停止するところにあります。「動」はムダがある可能性があり、「働」はムダなく価値を付加すると定義されています。

この考え方は、糸切れを自動で検知し、機械を止めて人に通知することができる自動織機を発明したトヨタグループ創業者の豊田佐吉氏によって開拓されました。

これによって、不良の流出防止ができるだけでなく、不良や異常の発生防止をはかることができ、「品質を工程で造り込む」を可能としています。また、自動で検知して異常を通知してくれるので、設備や工程を監視する人が不要になり、「省人」を可能としています。

自働化の2つの基本原則
  • 品質は工程で造り込む
  • 省人

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